COLUMN コラム

2025.05.02
スタートアップって何だろうか?【中編】

スタートアップって何だろうか?【中編】

ベンチャーとスタートアップの違いについて、5つの特徴を詳しく分析。中編では、革新性やビジネスモデル、出口戦略など、実際の区別点となり得るのかを検証していきます。明確な違いはあるのか?スタートアップという言葉に迫っていきます。

前編ではベンチャーとスタートアップがどういったものと認識されているのかを見てきた。

ベンチャーは和製英語で日本独自の言葉だということが分かった。

スタートアップはどうやらベンチャーの一部みたいだが、ベンチャーと区別する特徴が5つあるらしい。

下記に挙げた特徴に合致していれば、スタートアップと言うそうだ。

【スタートアップの特徴】

  • ビジネスモデルの違い(革新性)
  • 収益性の違い
  • スピード感の違い
  • 出口戦略
  • 資本調達法

しかし、どうも上記の特徴はベンチャーも持っていそうだ。

そこで、中編である今回は上記の特徴を1つ1つ見ていき、ベンチャーとスタートアップの違いについて見ていきたい。

ベンチャーとスタートアップの違いとは

ビジネスモデルの違いは大した違いにならない

革新性があるかどうかが違いである、としているわけだ。

まず「革新的」とはどういう意味だろうか。

goo辞典によると、「制度・組織・習慣などを改めて新しくしようとするさま。」ということらしい(革新的(かくしんてき) とは|goo辞典)。

では、より詳細にどのように定義されているか見ていきたい。

まずビズリーチのコラムでは

ベンチャーは既にあるビジネスモデルに工夫を加えてサービスを作る、スタートアップは革新的なアイデアでこれまでになかった新しいサービスを作り出す企業です。

引用:ベンチャーとスタートアップの違いを徹底解説!

と定義している。

「革新的」の意味合いからすると、ベンチャーこそがスタートアップで、スタートアップは革新的ではなく新しいビジネスモデルを展開すると言えそうだ。

次にH1Oのコラムでは

一般的にスタートアップ企業と呼ばれるのは、まだ世の中で需要が顕在化していない潜在的なニーズを洗い出し、革新的なアイディアや技術をベースに、新たな事業分野で新しいビジネスモデルを提案・構築していく企業です。

引用:スタートアップとベンチャー企業の違いとは? 特徴や成功事例とともに徹底解説!

と定義している。

こちらも「新しい」がどういう意味合いなのか不透明だ。

目新しいのか真新しいのか。

この違いが不透明だ。

両社ともに言えるのは、はっきりと分からないということだ。

私が提示した「目新しい」と「真新しい」とは以下のように定義する。

真新しいとは、全く世の中になかったサービスという意味で使う

目新しいとは、世の中にあった珍しいサービスという意味で使う

こう定義すると、上記の「新しい」はどれなのか?

ビズリーチの定義だと、ベンチャーが目新しい、スタートアップが真新しい、になる。

H1Oは微妙だ。

「革新的なアイディアや技術をベースに」とするまでは「目新しい」に入りそうだが、それ以降は「真新しい」に入りそうだ。

そもそも真新しいサービスや商品は世の中にあるのか?

商品ライフサイクルも3年と言われている現代において、「真新しい」は存在しないと考える。

世の中のスタートアップと言われる企業の商品やサービスを見ても、「目新しい」ものはあっても「真新しい」ものはない。

パーソナルコンピューターも「パーソナル」になる前にコンピューターは存在した。

パーソナルになったから目新しいと感じただけだ。

ちなみに、iPhoneも目新しい商品なのだ。

もし真新しいサービスや商品を提供することが条件であるとするなら、スタートアップは存在しないことになる。

出口戦略はそもそも考えないといけない戦略である

次に出口戦略だが、これはそもそも考えておくべきことである。

受験もそう。

甲子園もそう。

ゴールがあるから人は頑張れるのであって、ゴールのない道のりは頑張れない。

特に最近のビジネスでは商品ライフサイクルがどんどん短くなっていっているし、日本においては2030年問題があり、都道府県が消滅するとさえ言われている。

そんな状況にあって、出口戦略を考えないのは危険な行動なのだ。

日本以外の国では出口戦略を考えた上で起業している。

出口戦略を考えないまま起業するのは日本だけなのだ。

この事実を考えると、出口戦略の有無でスタートアップとベンチャー企業を区別することはできない。

収益性の違い

となると、収益性の違いも区別の理由にならない。

出口戦略を立て、その目標に向かって行動すればスタートアップだろうがベンチャーだろうが同じ収益性を持つことになる。

よって、これも区別の理由にはならない。

スピード感

これはたった一言だ。

ベンチャーは大手と違うことをやるので、スピード感はあって当たり前。

なので、区別の理由にならない。

資本調達法の違い

これだけは少し厄介だが、出口戦略があるならそこまで変わらない。

VCや投資家を入れることができるか?という話になるが、それはビジネスモデルによって変わる。

ずっとやり続けたい、という気持ちでダラダラと経営している場合はこの限りではないが、出口戦略を決めて社会貢献を見据えて企業としての成長を継続的にしていきたいと決めているなら、資本調達法も自ずと一緒になるはずだ。

よってこれも区別の理由にはならないはずだ。

まとめ~ベンチャーとスタートアップに明確な違いはないのか?~

各社のコラムを批判したい記事を書きたいわけではない。

国を批判する記事を書きたいわけではない。

純粋にベンチャーとスタートアップの違いを見ていきたいと考えて、このコラムを書いている。

が、なかなか難しい。

「こういうのがスタートアップなんだ」と明確に定義されているわけではない。

印象としてベンチャーが和製英語なので、大企業・中小企業とあって、設立間もないスタートアップという言葉がある、というのが正しいように思う。

とはいえ、日本においてはベンチャーとスタートアップを区別して使われているようだ。

具体的に何がどう違うのか知ることは、今後のためにもよいことだと思う。

次回は、何がスタートアップとベンチャー企業を区別する要因になるのかを見ていきたい。

ちなみに、もしかしてだが、世の中的にベンチャーとスタートアップって区別していなくて、ただかっこいいから「スタートアップ」って言っているなんてことはないよね?

忙しい貴方をコア業務に集中させる!楽デジ御見積無料お問い合わせ

CONTACT お問い合わせ

    お問い合わせ種別[必須]

    当ウェブサイトにおける個人情報の取り扱いにご同意の上、送信してください。