COLUMN コラム
驚くべきレポートが出た。
帝国データバンクが2万6765社を対象にアンケートを行った結果、半数以上の53.4%は社員不足と回答した(有効回答数1万1014社)。
これはコロナ禍以降で過去最高数値であり、4年連続上昇している。
これは慢性的な人材不足を指し示している。
今回はこのレポートからコラムを書いてみようと思う。
レポートはこちらから見ることができる。
業種別に見る人材不足
慢性的に人材不足に陥っているのは、情報サービスである。
常に人材不足に苦しんでいる。
これに「建設業」、「メンテナンス・警備・検査」、「運輸・倉庫」が続く。
情報サービスはシステムエンジニア不足で、どの企業も喉から手が出るほど人材を求めている。
システムエンジニアは5年くらいでようやく一人前になるので、育成にも時間がかかる。
適正も重要で、「なんちゃってエンジニア」も多い。
だが、これは今後AIの発達によって改善されるだろうと期待される。
一方で、建設業など3つの業種は働き方改革や育成制度の欠如などが問題となっているようだ。
また、非正社員のトップであった飲食店と旅館はコロナ禍以降、その割合を大きく低下させた。
飲食店はそれでも2位ではあるが、コロナ前の80%から60%と20%も不足していると回答した事業者割合を大きく減少させた。
旅館はコロナ前は飲食店よりも人材不足に苦しみ81%と回答していたが、51%まで割合を減少させてた。
人材不足に悩む企業の対策について
それでは、こうした人材不足に悩んでいる企業はどのような対策を考えているのだろうか。
それは、「賃上げ」である。
単純な賃上げならいいだろう。
だが、経済状況を鑑みると、安直な賃上げは首を絞めるだけである。
社会保険料も高騰しているし、物価高もあるし、価格転嫁で利益圧迫もある。
ここで言う物価高は個人レベルではない。
企業が活動を行うにあたり様々な経費を支払っている。
たとえばお好み焼き屋ならキャベツ代が高騰したら、その分の利益が低下するのだ。
会社も物価高の影響から抜け出すことはできないのだ。
レポートでは、このような懸念を事業主が漏らしている。
賃金を上げているが、社会保険料などで結局20%以上も手取りが減るので、社員たちから「給料が上がらない」と思われてしまう
(スポーツ用品小売業、北海道)
「今までの給与水準では採用活動が非常に難しくなってきている。給与水準の引上げを行いたいが、取引先への価格転嫁の交渉が進まず、ベースアップの財源が確保できていない」
(一般貨物自動車運送、岩手県)
「高校生含めた新卒採用が非常に厳しい。初任給を上げても反応が芳しくなく、入社希望者が増えないのではないか」
(金属プレス製品製造、福島県)
「人手不足のなか、働き手が仕事をより厳しく選ぶようになり、不満があれば簡単に転職してしまう。このまま何も手を打たないと、高い時給の仕事ばかりに人手が集中してしまう」
(電子応用装置製造業、北海道)
「大企業は業績の下支えで大幅な賃金アップも可能だと思うが、中小企業は業績の向上が望めないなか、従業員の生活を支えるため少しでも賃金アップを模索していきたい」
(印刷・製本・紙工機械製造、埼玉県)
「最低賃金の上昇によって非正社員から年収130万円を超えないよう労働時間を調整したいとの要望があり、そのため働く時間を少なくせざるを得ない。人手不足の傾向が続く要因である」
(印刷業、秋田県)
「人材確保のため、非正社員の賃金上昇を見込んでいるが、正社員の賃上げには至っていない。運賃、保管料、光熱費などの各種コスト高騰によって、利益確保が難しい」
(米麦卸売、福島県)
利益がないことには賃上げなんて無理なのだ。
帝国データバンクは
今後は人材の獲得競争に向けた賃上げがカギを握る中で、初任給の引き上げが大きな焦点となる。大企業では「初任給30万円時代」と言われるものの、原材料・エネルギーなど各種コスト高が押し寄せるなか、特に中小企業ではそのレベルまでの賃上げは容易ではない。帝国データバンクが実施した初任給に関するアンケート調査では、「苦しいが、大企業に対抗するために初任給を引き上げる」という声が聞かれる。そのため賃上げ余力を有しない中小企業では、人材の確保・定着に向けて一層厳しい局面となるだろう。
と結論付けている。
大手に単純に抵抗するなら給与を上げることだが、その資金がない中小企業にとって人材不足課題は今後も継続する課題となるだろう。
さらに2025年問題、2030年問題、2055年問題と人材不足は更に困難な課題になることは間違いない。
現時点でも人材不足による倒産件数は過去最高の342件である。
これは由々しき問題であるのだ。
企業が生き残る手段は何か?
大手と同じ手段で採用活動をするのは愚の骨頂である。
大手と同じように賃上げで人を集めるのも愚の骨頂である。
お金に惹かれて来た人は、どうせお金でいなくなる。
お金で釣ってはいけないのだ。
中小企業はお金以外の部分で魅力を伝える努力をする必要がある。
そのためにも守りと攻めの対策が必要である。
守りの対策は効率化である。
1人1人の業務時間を解放して、1人が5人分の仕事をできる状況を作り上げることが大事だ。
たとえば10人で毎日8時間みっちりやっていた業務を1人で30分でできるようになったら、どうだろうか?
10人のリソースが空く。
どうか?
人材不足に悩む必要性がどこにあるのか?
10人も新しく採用したのと同じだ。
これが効率化の破壊力である。
この上で攻めの対策を必要とする。
攻めの対策こそブランディングである。
ブランディングを中小は一切やらない。
大手はなぜ今も大手として勝者であり続けるのか。
それは誰もが知っているからだ。
〇〇と言えばA社。
この状況を作っているからだ。
タイミーを思い出して欲しい。
隙間バイトと言えばタイミーである。
実は隙間バイトはタイミー以外にもやっている。
タイミーはブランディングに成功した中小企業である。
そして、今や上場企業である。
私たちはタイミーに続かなくてはならないのだ。
最後に
今回は帝国データバンクのレポートを見て、コラムにしなければと思いコラムにした。
人材不足は本当に多くの企業を悩ませる。
技術的なもので解決できる要素もある。
我々は人材不足で悩む企業の業務効率を爆上げして、課題解決を行ったことがある。
是非我々のような技術による解決も検討してみて欲しい。
こうした情報はもっと早くお届けしたい。
だが、コラムは実はかなり貯まっていて、お届けするのが遅れてしまう。
1ヶ月くらい遅れる。
実はスタエフで音声配信を行っていて、そちらの方が早く届けている。
私のスタエフで最新情報をゲットして欲しい。
今回のコラムが何か気づきや学びになれば幸いである。
また次回のコラムでお会いしましょう。