COLUMN コラム

2025.03.19
【賃上げ問題】大手「満額超え」・中小「無理して倒産」

【賃上げ問題】大手「満額超え」・中小「無理して倒産」

大手企業の賃上げが満額を超える一方、中小企業では無理な賃上げによる倒産が急増。人材不足対策として賃上げを選択する企業の実態と、経営における人材活用の本質的な課題について解説します。

Googleが私に勧めてきた記事が衝撃的だったので、今回急遽記事にした。

そう「賃上げ」問題である。

春闘・大手企業の賃上げ「満額超え」が飛び出した一方で… 中小は「無理して倒産が増えている」

今回は東京新聞の記事を読んだ上で、以下の3つについてお伝えする。

1つ目は、賃上げについて

2つ目は、従業員について

3つ目は、今後の対策について

なお、付随して以下の記事も拝読した。

春闘の賃上げ率2年連続5%超、34年ぶり高水準-日銀利上げに追い風

【市川レポート】2025年に国内企業の賃金はどれくらい  上がりそうか

実質賃金プラスに「全く足りない」賃上げ 背景に「異常な労使関係」

人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)

賃上げの事実と闇

賃上げの現実

それでは、1つ目の賃上げについて見ていこう。

今回の記事では、大手企業が求められた賃上げよりも多くの賃上げをしている企業が現れたとしている。

もっと簡潔に書く。

満額の大手もいれば

満額以上の大手もいれば

当然ながら満額に達しない企業もいる。

満額以上の大手企業が出てきたので、「満額超えが飛び出した」と表現されているわけだ。

 

次は中小企業に目を向けてみよう。

中小企業も賃上げに積極的である。

23年度は約80%の企業が賃上げに積極的で、24年度は低下したものの66%と意欲が高く、25年度の本年は約70%と賃上げに積極的である。

まだ中小企業による賃上げが発表されているわけではないが、本年も期待できるだろう。

 

大手企業も中小企業も賃上げに積極的であるが、実質賃金で考えると、物価高と税負担で賃金が上がったという実感はないようだ。

賃上げの闇

実質賃金という点で見ると確かに実感がないかもしれない。

だが、この賃上げブームは今後も継続した方がよいだろう。

これについては疑いようもない。

疑いようもないのだが、賃上げを手放しで喜ぶこともできないのが現実なのだ。

なぜ「含み」を持った言い方なのか。

それは十分に含みを持っているからだ。

 

この賃上げ。

ボーナスをなくせば、いけるやんと思うのだ。

たとえば

月給35万円です、でも賞与は会社の実績によるので、1000円です。

賞与は本当は1か月分出したかったんですが、まぁ、業績が悪いんで、1000円です。

みたいなことができる。

なので、もし転職活動をされているのなら、賃上げしたことに誇りを持って説明してくる人がいれば、しっかりと給与体系や賞与の実績などを確認する方がいいだろう。

大手は何かとこういうトラップをしかけるのが上手い。

見せかけるのも上手い。

メディアもそれを報道する。

だからこそ中小企業はしっかりと情報収集をして正しく判断することが大事である。

 

また、税負担も大きい。

賃上げしたのに税負担で変わらないという現象が日本中至る所で起きている。

私たち中小企業が苦労ばかりしている感じになるのは私の勘違いだろうか。

国会議員は高い給料をもらっているのに無能だらけで足を引っ張ってくるのは、どうにかして欲しいものだ。

人材不足の対応策として賃上げを選択する企業も多い。

利益がないと賃上げはできないが、無理をして賃上げをする企業もある。

そうした企業の倒産も増え続けている。

昨年は300件を超え、10年前と比較すると5倍も拡大している。

中小企業にとって賃上げは大きなリスクを伴う決断であるのだ。

要求ばかりの従業員になるな

さて、2つ目だが、従業員についてだ。

正直に言う。

役に立たない人間に何故より高い金額の賃金を与えないといけないのか理解できない。

従業員は感情面と論理面で捉えることができる。

感情面とは、「いて欲しい人」「どっちでもいい人」「いて欲しくない人」である。

論理面とは、「資産」か「コスト」である。

経営者は自分も含めてあらゆる資産を適切に活用して、最も効果が高い活動をすることを求められる。

コストは省かないといかないのだ。

では、コストの人にお金を与えるだろうか?

答えは簡単である。

「NO」なのだ。

資産であり、いて欲しい人だから、会社も投資するし教育するし賃金もいっぱい上げたいと思うのだ。

これは当たり前の道理である。

 

絶対に怒られるだろうが、あえて生活に置き換えてみよう。

私はゲームが好きだ。

プレイステーションをよくプレイする。

このプレイステーションが壊れたらどうするだろうか?

当たり前だが、捨てる。

新しいのに買い替える。

ゴミをいつまでも大事に置いておいたら、生活の邪魔になるからだ。

ゴミは所詮ゴミなのだ。

いつか捨てるべきものなのだ。

 

もうお分かりだろう。

コストと思われる人材は、人材ではない。

お荷物なのだ。

日本だから勤務できているに過ぎない。

賃上げとかおこがましいのだ。

中小企業は限界まで頑張っている。

乏しい利益を圧迫しながら賃上げをしようとしている。

それに対して文句を言うのは、両親からもらったお小遣いに対して何も努力していない子どもが少ないと文句を言っているのと同じである。

利益がないと無理なのだ。

そんなに欲しいなら、まずは会社にコストではなく資産であると認めさせる働きをすることから始めるべきである。

 

これまで賃上げと従業員について考えを伝えてきた。

3つ目に今後の対策についてお伝えしようと思う。

そもそも賃上げは利益による。

利益がないのに、借金で賃上げするなんてできない。

なので、利益がどれだけあるのかが大事であり、利益を多くすることで賃上げを実現できる。

これがベースである。

 

その上で利益を拡大させるために何ができるだろうか?

  • 新規営業をして売上を上げる
  • 価格転嫁する
  • 販売価格を上げる
  • リピート施策をする

などなどあるだろう。

だが、こういった活動をするのにも人手不足で対応できない企業が多い。

人材不足という経営課題は多くの企業を悩ませている。

だから、人材を確保するために賃上げをしないといけないと考える企業が多いのも事実だ。

しかし、本当にその作業は「人」でないと無理なのかをもう一度考えて欲しい。

 

たとえば10人でやっていたのが1人で対応できるようになった

たとえば10時間の業務が10分になった

たとえば10日かかっていた業務が10分になった

 

こういう場合、人材不足は悩みになるだろうか?

たとえば25人規模の事業所が6人規模になった事例がある。

ここまで省力化することができると、人材不足という課題に悩まない。

さらに20人分の人件費が浮くわけなので、残った人に配分してもいいし、営業や広告、マーケティング、PR活動などに投資してもいいわけだ。

人材は資産とコストに分けられる。

コストである人材には辞めていただいて、資産である人材にとことん投資する。

日本企業は世界規模で人材に投資しない。

それが当たり前の世界で人材をとことん大事にして投資する。

こうした活動を行えば行うほど利益体質に変化していく。

誰もが入りたい企業に成長させることも可能だろう。

中小企業の戦い方は大手と同じであってはならない。

大手と同じ土俵で戦うことほど愚策はないのだ。

最後に

正直言うと、賃上げで何とかなるのは今だけだ。

今後もっと人口が減る。

今よりも減る。

そうなった場合人材獲得は更に厳しい。

人で何とかする時代は終わったのだ。

25人規模の事業所が6人規模になっても利益を拡大させている事例がある。

人がいないから事業が回らない、という悩みは別角度から簡単に、そう、いとも簡単に、そしてすぐに解決できる課題であることを経営者であるならば知っておくべきである。

 

ちなみに、人を辞めさせる話をすると、「かわいそう」とか「不義理」とか言ってくる経営者がいる。

だが、その人のことを真剣に考えて投資活動をしているのかというと全くしていない。

会社にいる人たちの人生を考えると、解雇に弱気な社長ほど従業員の人生を台無しにしている。

これほど可哀想で不義理な活動はない。

社長として自覚を持つべきであると私は考える。

 

さて、本日のコラムはここまでである。

今回は急遽配信したが、普段は最新情報をスタンドエフエムにて配信している。

是非そちらをチェックして欲しい。

加門の業務効率爆上げチャンネル

 

今回のコラムが何か気づきや学びになれば幸いである。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。

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