COLUMN コラム

2025.09.17
「変化」に鈍感な企業は淘汰される時代に覚悟を決めろ

「変化」に鈍感な企業は淘汰される時代に覚悟を決めろ

ITコンサルタントが明かす、中小企業を「相手しない」衝撃の理由。中小企業の盲点と変化する時代を生き抜くための3つの実践的戦略をご紹介します。

先日あるITコンサルタントの方と話をした。

その方に顧客層について伺ったところ、中堅企業の中ランク以上から大手企業と仰っていた。

特に大手企業がターゲットとなるらしい。

確かにITコンサルタントに依頼する層と言えば、中堅企業以上になるだろうから想像通りと言えば想像通りだった。

だが、ふと疑問に思ったことがあったのだ。

それは「中堅以下の企業は対象としないのか?」ということである。

中堅以下の企業の中でもITに取り組む企業は多い。

なのにもかかわらず最初からターゲット外としているのは何故だろうか?

その答えはあまりにも驚愕であり、衝撃的なものであった。

予算が少ないからという単純な理由ではない。

中小企業経営者の読者は、本質的な理由を理解し、自らの立ち振る舞いを私と一緒に見直していただきたい。

中小企業を「相手にしない」理由

さて、ITコンサルタントにターゲット層に中小企業が含まれない理由を聞いたところ、ズバッと一言、「相手にしません」という回答が返ってきた。

それはもう清々しいほどバッサリと切った。

あまりにも清々しいので、こちらも気持ちいいほどだ。

だから、その理由も軽くお伺いすることができた。

 

金額面の話は当然のことである。

だが、それ以上に努力値が金額が折り合わないと仰っていた。

どういうことだろうか?

 

いくらこちらが頑張っても「暖簾に腕押し」状態であり、すぐに成果を求められ、売上に直結しなければ成果がないと見なされる環境だそうだ。

他にも様々な理由を教えていただいた。

ざっとまとめると以下のようになる。

  • ITの重要性を理解していない
  • アナログ業務が早いと思い込んでいる
  • パソコンが分からないから使いたくない
  • 分からないことをバカにされたくない
  • IT製品を入れたら解決すると思い込んでいる
  • 生産性向上の意義を見いだせていない
  • 省人化や省力化の価値を分かっていない
  • 従業員がいれば解決すると思い込んでいる
  • コスト意識が希薄
  • 売上至上主義
  • ノウハウ共有に強い拒否感

こんな状態ではやりたいと思わなくなるのも当たり前だ。

いくら口酸っぱく言っても、理解してくれないばかりか成果がないと断定されるのだから仕方ない。

これでは絶望的だ。

 

確かに私もお客様とお話しする際に、

「なんで生産性なんて上げなあかんの?」

「効率化するってことは解雇しろってこと?」

「ITサービスを入れたら終わりやろ?」

みたいなことを言われた経験がある。

私なりに理由や価値を伝えても、売上しか見ていない経営者には売上に直結しないのなら意味がないようだ。

売上だけしか興味のない経営者は終わる

しかし、目先の売上だけを追うのは経営として正しいあり方なのだろうか?

帝国データバンクの調査によると、販売不振による倒産が8割を占めている。

このことから確かに売上は非常に大事だ。

これは絶対だ。

キャッシュがなければ、会社を継続することができない。

 

では、売上だけに着目して行動するのは正しいのか?という視点で考えた時、そうとは言えないのが現実である。

経営は複数の要素から成り立つ。

売上を上げても利益が残らなければ、投資活動ができない。

つまり、レバレッジのある活動を行う必要がある。

それなのに、いつまでも売上のことしか頭にない状態では、いつか倒産の憂き目に遭ってしまう。

経済危機は一定の周期で起きるし、市場の変化や技術革新もある。

たとえば

  • 大手が参入して市場のシェア率が変わったら?
  • 外国為替が変動してコストが増加したら?
  • 物価高が発生してあらゆる維持費が増加したら?
  • 競合がIT戦略により一気に成長したら?
  • 人材不足が今より加速したら?

といったことが起きたら、どうなるだろうか?

その瞬間、これまでの売上モデルは瓦解しかねない。

そうすると、他人事で見ていた「売上不振」による倒産企業の仲間入りしてしまうかもしれない。

倒産企業の約8割は「売上不振」である。

この事実を重く受け止めるべきである。

大手企業がやっている「当たり前」のこと

では、大手企業はどうだろうか?

私たち中小企業はとにかく大手企業を嫌う傾向にある。

もちろん、大手企業の特権を見るに吐き気がする部分もある。

だが、大手企業の取り組みこそ本来であれば中小企業が行ってしかるべきことである。

その「当たり前」をお伝えしたい。

課題を見つけて潰す

時代は今も動いている。

我々は時代の中に生きている。

これを忘れてしまう人が多いが、大手企業はしっかり時代の動きを察知し対策をしている。

時代によって発生する課題を見つけては、その対策を講じるのだ。

 

たとえば人材不足だ。

日本人口の減少をきっかけに様々な問題が発生すると言われているタイミングがある。

それが、2025年問題、2030年問題、2055年問題だ。

2055年になると、日本人口は1億人未満になると言われている。

そればかりか10人の半数は高齢者だというのだから、恐ろしい(私としては高齢者と定められている年齢の引き上げをした方がいいと思うが)。

そんな時代に大手であっても人材確保は大きな課題である。

中小零細企業が100万円しか出せない広告予算を、16倍の1600万円も使う大手でさえも課題に感じているのだ。

では、そんな大手企業は今どんな対策をしているのか?

それこそが「省人化」や「省力化」である。

新しい言葉であるが、要は業務を効率的に回せるようにして少ない人数または少ない労力でこれまでと同じかそれ以上の成果を挙げようとする取り組みのことである。

はい、私が今までずっと言ってきたことです。

 

これを大手は今取り組んでいる。

このように課題への取り組みを迅速に実施し、時代に取り残されないように対策をする。

これこそが大手が大手でいられる取り組みなのだろう。

中小企業ほど時代に鈍感

今や人材不足時代と言われ、これからますます労働者を活用することができなくなる時代になる。

それに対して外国人労働者を雇えばいいと単純に考える経営者が多すぎる。

日本円の価値は暴落している。

今後も外国人労働者が来てくれると思うのか?

もし今来てくれている人の母国がもっと豊かになったら、わざわざ日本語を覚える必要がある日本に来るか?

母国が豊かになれば、わざわざ努力して来る価値なんてない。

そうなる未来もあるのだ。

その時、どうするつもりか?

人材不足で倒産することになるが、それでよいだろうか?

 

世界的に中小企業であればあるほどフットワークが軽く、時代の最先端技術を取り入れて経営に活かすことが多い。

しかし、日本では逆になる。

この傾向があるからこそ日本企業は変化に弱く、これまで失われた30年をずっと生きてきたのだろう。

今こそ時代の変化に機敏になり、変化していく覚悟を持つ時である。

今すぐ取り組むべき3つの打ち手

そこでアクションプランを考えてみた。

中小企業は限られたリソースの中で行動しなければならない。

そのリソースを最大限活かすためにどうすべきか。

以下の3つを参考にしていただきたい。

  1. 業務プロセスの見える化
    • 業務プロセスを分解する
    • 業務の意義を定める
    • プロセス1つ1つの意義を定める
    • 誰でも簡単に実行できる小さなステップにまとめる
    • IT化できるかどうかを検討する
  2. 小さく試して大きく展開
    • 1つの部署やチームから実施する
    • 検証して改善するサイクルを回す
    • 効果があることが分かれば、組織全体に反映する
  3. ナレッジは資産化
    • あらゆる情報は組織の資産
    • ナレッジはすべて共有する仕組みを作る
    • 誰でも代行できる状態を作る

こうした取り組みを行うだけでも生産性は向上する。

特に業務の意義や目的が分かるだけでも、社員の気持ちに変化が出てくる。

是非試してみて欲しい。

最後に

今回のコラムはどうだっただろうか。

ITコンサルタントとの会話の中で気づいたことをシェアさせていただいた。

大手企業が強くあるのは、「変化」に対して果敢に取り組み、見出した課題を先回りして解決しているからだ。

一方で、中小企業はこんなにもブームになっているAIですら興味がない。

ITに興味がなく、売上確保にしか興味がないのが現実だ。

売上至上主義をこれからも貫く企業は淘汰される。

たった2つのことを意識するだけで、これからの経営に大きな変化が起きるだろう。

  • 時代の変化に敏感になり、手を打ち続ける
  • 小さな改善を積み重ね続ける

このシンプルな覚悟が、「生き残る企業」を作る条件だ。

是非改めてこの覚悟があるかどうか自身を見つめ直していただきたい。

 

さて、今回のコラムが何か気づきや学びになれば幸いである。

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それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

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