COLUMN コラム

2025.09.29
会社の未来を創るための時間術

会社の未来を創るための時間術

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「今日も一日、現場の対応や細々とした事務作業に追われて終わってしまった…」

 

従業員10名ほどの中小企業を経営する社長であるあなたなら、一度ならずこう感じたことがあるはずだ。

プレイングマネージャーとして、現場の第一線に立ち、誰よりも汗を流す。

その姿は尊い。

しかし、そのままで、あなたの会社は5年後、10年後も成長し続けられるのだろうか。

断言する。

社長が現場の雑務に忙殺されている限り、会社の成長は停止する。

今回は、多忙を極める社長が「本来やるべき仕事」に集中し、会社の未来を創るための具体的な時間術と考え方を提示する。もはや「時間がない」という言い訳は通用しない。

なぜ社長は多忙なのか? 雑務に追われる社長が陥る「負のスパイラル」

中小企業の社長が多忙なのは、自明のことだと考えてはいないか。

しかし、その多忙さの内実を分解すれば、本来社長が担うべきではない仕事に、多くの時間を奪われているという現実に直面する。

  • 突発的な見積もり作成や問い合わせ対応
  • 現場で発生したトラブルの鎮火
  • 請求書や簡易な書類の作成
  • 「社長でなければ分からない」とされる、過去の案件の確認

 

これらはすべて、社長が「最後の砦」として仕事を抱え込むことで発生する雑務に他ならない。

この状態が続けば、

  1. 「社長不在では仕事が停滞する」
  2. 「社長はますます多忙を極める」
  3. 「新規事業を構想する時間がない」
  4. 「会社の成長が停止する」

という、恐るべき悪循環に陥るのだ。

そのため、冒頭で現場に立ち続ける社長では成長を続けることができないとお伝えしたのだ。

 

では、社長が本質的に遂行すべき仕事とは何であろうか。

それは、現場で手を動かすことではない。

社長の本質的業務は「構想」である。

「構想」とは、何か。

それは、以下の3つに集約される。

1:会社の未来(ビジョン)を構想すること

3年後、5年後、会社をどのような姿にしたいのか。いかなる新たな価値を顧客に提供するのか。

その羅針盤を示すことこそ、社長にしかできぬ最重要の責務である。

 

2:売上を伸長させる「仕組み」を構築すること

あなた個人の奮闘によって売上を確保するのではなく、誰が担当しても一定の成果が上がる「仕組み」を構築する。

営業手法、新サービスの開発プロセス、顧客との関係構築。

これらを標準化し、組織全体の力へと昇華させるのだ。

3:社員が自律的に動く「環境」を整備すること

社員が安心して挑戦し、成長を実感できる環境を整備する。

そのために不可欠な規律やツール、そして企業文化を醸成することである。

これらすべてに共通するのは「構想する」という行為だ。

社長が構想の時間を確保できぬ会社に、未来はない。

雑務からの解放!社長が即時着手すべき「権限委譲」の3つの技術

「理想は理解した。だが、具体的にどうすれば…」という声が聞こえてきそうだ。

問題ない。

誰にでも実行可能な「仕事を手放す」ための具体的な3つのステップを提示しよう。

ステップ1:自己の業務を「可視化」する

まず、あなたがこの1週間で遂行した業務を、いかに些細なことであろうと全て書き出すべきだ。

そして、その業務を「自分にしか遂行不可能な仕事」と「他の人間でも遂行可能(かもしれない)仕事」の2つに分類する。

後者が驚くほど多いという事実に気づくはずである。

これが、権限委譲のための第一歩となる。

もし全部自分しか無理という判断になる時は、もっと別の部分に問題があるかもしれない。

たとえば他の人を信じていない、自分を信じていない、ミスをされたら困るという恐怖感、他の人に任せた方が成果が上がるかもしれないという焦りなどである。

こういう感情があるかもしれない時は、自らと誠実に向き合うことが大事だ。

 

ステップ2:「人に任せる」のではなく「仕組み化」する

次に着手すべきは、「この仕事はA君に頼もう」ではない。

それではA君が退職すれば、再びその仕事は社長の元へと戻ってくる。

重要なのは「仕組み化」、すなわち「誰が担当しても同質の成果を出せる状態」の構築である。

 

このように伝えると、すぐに「マニュアル」と意識が向いてしまう。

確かにマニュアルではあるが、「説明書」ではない。

説明書は誰も読まない。

あなたは冷蔵庫の説明書を端から端まで読むタイプだろうか?

もしそうだとしても、あなたと同じように読む人は少ないという事実を知っておくべきである。

 

ということは、どういう仕組みを整えるべきだろうか?

それはたとえどんな状況であろうとも、1度開始したら最後まで終わることができるレールを作ることである。

小さな小さなステップにして抵抗感を感じることなく、業務を終わることができるくらいに細分化する。

文字媒体だけでマニュアルを用意するのではなく、動画で撮影することも忘れない。

さらに、チェックリストを用意して、抜け漏れがないかのチェックも行えるようにする。

こうした二重・三重の対策が仕組みを作り上げるのである。

 

また、年に何回かは確認を行い、最新版にするように調整することも忘れないようにしよう。

ステップ3:小規模なITツールで「自動化」する

仕組み化の次は、いよいよ「自動化」である。

高価なシステムを導入する必要などない。

月額千円から利用可能なITツールであっても、10個もあれば1万円だ。

人数分の請求だと10万円(10人利用換算で1サービス1万円×10サービス)だ。

馬鹿にならない。

必要なサービスは最小限に、必要な自動化は最大限に行うべきである。

 

最近は「脱Excel」という悪評があるが、正直脱Excelを謳っているサービスの多くはExcelに勝てない。

Excelやスプレッドシートを最大限に活用することによって、非常に高い効率性を獲得することができる。

こうした自動化を行うためには、従業員のIT教育が必須である。

ステップ3を実行する前に、日ごろから従業員の教育を行っておこう。

あなたの会社を成長させることが、あなたを輝かせる第一歩となる

社長が現場の仕事を抱え込むのは、責任感の表れであろう。

しかし、それは同時に、会社の成長の可能性を自ら縛り付けている行為に他ならない。

社長が雑務から解放され、「構想」する時間を確保することこそが、会社を成長させるための最大の責務なのである。

 

あなたが何に時間を費やしたか、記録することから始めてみてはどうだろうか。

それが、あなたの会社が未来へ向かう、偉大な一歩となるはずだ。

最後に

今回のコラムはどうだっただろうか。

読者の皆様にとって、今回のコラムが何か気づきや学びになれば幸いである。

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それでは、また次回のコラムでお会いしよう。

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