COLUMN コラム
AIの未来を考える時、いくつかの未来を考えることができる。
アメリカと中国から見るAIの未来も語ることができるだろう。
今後登場するAIはどのようなものかを語ることもできるだろう。
しかし、今回は音楽生成AIから見る未来を考えていきたい。
目次
音楽生成AIは何をもたらすのか?
新しい技術として生成AIは、私たちに何をもたらすのだろうか?
特に音楽、画像、動画を生成するAIが私たちの生活にどのような影響をあたえるのか?
今回はこの点を見ていきたい。
その前に、音楽の歴史を見ていこう。
オーケストラ形式の西洋音楽から始まった
私たちの生活に根差した音楽は、西洋音楽である。
その西洋音楽は何から始まったのか?
いろいろな言い分はあるだろうが、ここではオーケストラであるとする。
オーケストラは大人数で構成されている。
これは、大人数でないと大音量を出すことができないことが原因である。
そのため、同じパートで複数人必要とすることも多い。
バンド形式の誕生が何をもたらしたか?
この音楽スタイルはかなり長く続いた。
鉄腕アトムといったアニメや仮面ライダーといった特撮番組でも、オーケストラ形式の曲が採用されていた。
今でこそ姿を消したが、1980年代まで音楽番組でオーケストラ形式の楽器団が映像に映っている。
非常に長く私たちの生活にオーケストラ形式の音楽は存在感を放っていた。
この存在感が徐々に失ったのは、バンド形式の音楽が流行したことである。
エレキギター、エレキベース、キーボードなど、これまで大人数でないと出せなかった音量をたった3人で出せるようになった。
ギター、ベース、ドラムがいれば十分。
そんな構成が実現できるようになったのだ。
これは技術革新の影響である。
これによってロックが流行した。
様々な実験的な音楽が誕生し、現在のポップミュージックにつながっていく。
この技術革新によって何が起きたか?
それは構成員の削減である。
大人数必要だった楽器団が、たった3人でまかなうことができるようになったのだ。
パソコンが何をもたらしたか?
次の革新は、パソコンである。
これまでは言っても楽器団の構成が必要だった。
だが、パソコンの登場によって楽器団が絶滅の危機に陥った。
パソコン1つあるだけで、楽器を学ばなくても音楽を作ることができるようになった。
1部を繰り返すことも簡単になったし、楽器では出せない音も容易に作ることができるようになった。
パソコンは楽器を習得する必要性を消してしまったのだ。
それでもまだボーカルは生き残った。
作曲家は自分の曲を歌ってくれるボーカルを探した。
だが、この時代も終焉を迎えることになる。
そう、初音ミクの登場である。
楽器もボーカルも不要になった。
作曲家だけで音楽が完結する時代になったのだ。
「まさか」が実現した
私は大学時代ロックバンドでベースを担当していた。
下手だったが、ある種の持論を持っていた。
正直、パソコンで作る音楽は認められなかったし、初音ミクなんて何がいいか分からなかった。
絶対に廃れると思っていた。
だが、今を見てみて欲しい。
廃れると思ったパソコンの作曲は今や主流とも言える。
初音ミクに至っては、ライブまでやっている。
生身の私たちが映像に映った初音ミクに発狂している様は、恐怖しかない。
だが、これが現実なのだ。
音楽生成AIは何をもたらすか?
では、音楽生成AIは何をもたらすのだろうか?
これまでを見てみよう。
- 楽器団の人数を減らした(オーケストラ形式からバンド形式)
- 楽器団と演奏技術を不要にした(バンド形式からパソコンで作曲)
ということが起きている。
では、次は何が起きるだろうか?
残っているものと言えば、知識である。
音楽理論や音楽ソフトの知識または経験が残っている。
音楽理論を学ぶ必要性がない。
音楽ソフトを使用しなくてもよい。
それでも、音楽を作ることができる。
これが音楽生成AIがもたらす未来である。
つまり、民主化、といえるだろう。
民主化は防げるのか?
もし防げるものなら、初音ミクの市民権を防げるだろう。
初音ミクの登場当時、私のように考えていた人は多くいた。
結果、どうなっただろうか?
言わずともよいだろう。
このような記事がある。
音楽生成AIのSunoが資金調達協議、評価額20億ドル超に膨らむ-関係者
1億ドル、つまり約151億円もの資金調達が行われるそうだ。
正直、音楽生成AIを嫌っても、もう無理だ。
世界が求めている。
初音ミクは日本だけのムーブメントだったが、音楽生成AIは世界のムーブメントである。
このムーブメントは止めることができないだろう。
日本だけ反対意見を出し、否定したとしよう。
たとえそうだとしても、だったら海外で活動すればよいだけである。
海外で流行ったら、日本に逆輸入すればよい。
日本人は海外で流行ったものに弱い。
そして、それが生成AIで作られたものであるとしても、拒否反応は起きない。
時間の問題なのだ。
音楽生成AIの問題点について
音楽生成AIを語ると、どうしても著作権の問題が挙がってくる。
なんて退屈なことを言うのだろうか?
人は基本的にパクる生き物である。
人が1から作っても、どこか似ている曲ができる。
こればかりは仕方ない。
僕はAerosmithが大好きだ。
そのため、僕に作曲能力があれば、きっとAerosmithっぽい曲を作ってしまうのだろう。
だから、ここで取り上げる問題点は、著作権の問題という退屈な問題ではない。
音楽生成AIの問題点としては、2つある。
1つは、音楽としての価値である。
もう1つは、商売としての音楽である。
音楽としての価値がなくなる
まずは音楽としての価値から見てみよう。
音楽生成AIで作った音楽は、正直知識のない人が生成するものである。
したがって、理論もすっ飛ばしているし、もっとこうしたらいいのに、という部分も無視している音楽が大量にできる。
よって、完成度しては低いものである。
ここが音楽としての価値を低下させることになるだろう。
価値の低い音楽が大量にできてしまう恐れがあるのだ。
だが、別の角度から見ると、私たちの耳はすでに価値の低い音楽に慣れ過ぎてしまった。
低価値の音楽ばかり聴き過ぎて、音楽の良し悪しを判断することができなくなった。
そのため、音楽理論のない音楽であっても受け入れられてしまう可能性はある。
商売としての音楽の問題点
もう1つは、商売としての音楽である。
普通に1曲作るのに1か月かかるとして、生成AIを使うと1か月で20曲できてしまう可能性もある。
大量に作成できてしまうのだ。
商売として考えると、音楽としての価値は低くても、打席に立つ回数の多い分、売れるのは生成AIを使った方だろう。
正直、打席数が多い方が強いのだ。
1打席しか立てない人と100打席も立てる人。
どちらの方にチャンスがあるのか?と考えると簡単である。
打席の多い人が勝つのだ。
今でさえ音楽は売れないのに、このようなライバルの登場は音楽市場に大きな影響を与えるだろう。
今後の音楽の持論について
これからの時代は、人の手であることに価値が出てくるだろう。
ダイヤモンドも人工と天然、どちらの方が価値があるか?
天然ものと全く同じ構成の人工ダイヤモンドがある。
それなのに、人工というだけで天然よりも価値が低いのだ。
これと同じだ。
人の手で作曲されている。
人の手で演奏されている。
ここに価値が出てくるだろう。
透明性を出すことが大事だ。
本当に人の手で作っているのか?
これを証明することができれば、その音楽は価値を生むだろう。
何が本物か保証できない時代だからこそ、本物に価値が生まれるのではないだろうか?
最後に
今回のコラムはどうだっただろうか。
結構趣味に寄せた投稿だったが、今回のコラムが何か気づきや学びになれば幸いである。
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それではまた次回のコラムでお会いしましょう。