COLUMN コラム
今回は事例の裏側についてお伝えしようと思う。
この事例は、実績ページにも記載があるので後ほど見ていただきたいが、なかなかよい事例だと思う。
簡単に書くと、
- 定時後に紙で出される日報を見ながらパソコンに手打ち
- 手打ちしたデータを分析
- 分析した結果を元に報告書を作成
- 作成した報告書を上長に提出
という流れになる。
世の中にいっぱいありそうな事例だ。
ゴロゴロ転がっているだろう。
紙で出される日報を見ながらパソコンに手打ちしている時点で、絶望を感じる。
0(ゼロ)なのか
6なのか
O(オー)なのか
〇(丸)なのか
全然判断がつかない。
私の字はあまり褒められたものではない。
さっと書くと、他の人には読めないレベルの文字が出来上がることも少なくない。
しかも、書き順がバラバラなので、漢字が面白いことになる。
つまり、何が言いたいのかというと、人が書いたものなんて1ミリも信頼できないということだ。
自分の文字が他人もしっかり読めるなんて思わないことだ。
こういう事例を世の中から消したいものだ。
さらに問題なのは、この事例、定時後なのでスタッフに確認したくてもできないのだ。
電話をしてもいいが、電話された方も口頭説明だけだと自分が何を書いたか覚えていない。
さっき見たドラマの内容も秒で忘れていくのが人間なのに、自分の日報内容なんて会社を出た瞬間に忘れるのは当たり前である。
こうしたことから毎日3時間以上の残業が発生していたのだ。
パパがマジで可哀想だった
さて、それでは裏側をご紹介していこうと思う。
この事例はコールセンターの事例である。
コールセンターか、じゃあ、関係ないや
と思うなかれである。
他業種であろうとも、基本的にどの業種でも発生し得るケースだ。
また、日本中にいるパパには是非最後まで読んで欲しい。
元々は別の効率化でお声がかかって、効率化を行っていた。
それがメール送信の効率化だ。
反応率の高い人のメールをテンプレート化して、誰もが簡単に再現できるメール送信ツールを作った。
これによってメール作成が苦手な人や時間のかかる人が効率的にメールを作れるようになったし、何より顧客満足度も上がった。
反応率が下がれば、また反応率の高い人にメールを作ってもらえばいいし、最近は生成AIも賢くなってきたのでAIを活用するのもいいだろう。
我ながらいいものができたと思う。
さて、こうしたツールの開発を行った後にマネージャーに呼ばれたのだ。
そのマネージャーからお願いされたのが本件であったということである。
パパの「今」がまさに悲惨
マネージャーから
- 毎日3時間以上も残業しているから、帰宅時間がいつも深夜
- 3歳の娘の寝顔しか見れない
- 静かに帰らないと妻に怒られる
- いつもテーブルの上に置いてあるラップがかかった晩ご飯を一人で食べている
- 記念日とか誕生日とか一緒にお祝いできない、っていうか忙しすぎて忘れて怒られた
- 最悪、離婚されるかもしれない
- 娘がパパの顔を忘れているかもしれない
- 休日も疲れて遊んであげられないし、休みも仕事のことが頭から離れない
- 娘がディズニーランドに行ったらしいけど、妻と義母と娘の3人で悔しい
と訴えられたのだ。
すでに上長から決裁を取っていたらしく、マネージャーの3時間以上の残業時間を消すプロジェクトが始動したのだ。
私には子どもがいないが、よくパパの話を聞いていると娘は格別可愛いらしい。
私の姉の旦那は、娘よりも姉にベッタリだったので、あまり実感がないが、どのトークを聞いても目に入れても痛くないのが娘らしい。
3歳の娘に男の子が手を繋ごうもんなら、本気で阻止したくなるそうだ。
なるほど。
そう考えると、毎日娘の寝顔しか見られないのは悲しいだろう。
寝顔を見るには、少し明るくする必要があるかもしれない。
そうすると、起きてしまうかもしれない。
起きたらヤバい。
パートナーの稲妻が落ちるだけでは済まないだろう。
何より悔しくて悲しいのは、ディズニーランドで撮影された写真だったようだ。
自分が映るべきところに、義母がいる。
別に数ある中の1シーンならいいが、これから先ずっと自分がいないかもしれないと思うと悔しくて堪らなかったようだ。
また、娘だけではなく、パートナーとの関係性も悪くなっているようだった。
記念日も誕生日も忘れてしまって、ガッカリされたことが続いているようだ。
最初気づいていなかったが、離婚されるかもですねって言うと、確かにって気づいたようだった。
パパの残業を消すプロジェクトが始動
そして、始まった「パパの残業を消すプロジェクト」。
すぐに軽く「いいですよ、やります」と言ったことを後悔した。
紙ベースだということを知らされてなかったのだ。
日報というものだから、そういうシステムがあるもんだと思い込んでいた。
これは大変だぞっと覚悟をした。
紙ベースの日報をデジタル化することから着手
話を聞いて、我々が出した結論は二段階式の対策だった。
そもそも紙ベースで日報を出しているから辛い作業が発生する。
なら、紙ベースの日報をデジタル化してしまえば、集計が簡単になると考えたのだ。
コールセンターなので100名以上のスタッフがいる。
世の中にあるクラウドサービスを検討したが、予算的に難しいことが判明して断念した。
機能が多すぎたり操作が意外と複雑で扱いきれないことも問題になった。
思った以上にコールセンタースタッフのデジタルスキルは低いのだ。
そこで、日報も我々が作ることにした。
コールセンターの方のデジタルスキルはメールツールを作成時に把握しているので、極力ストレスにならないようにツールの開発を実施した。
開発後は数名に使っていただいて、徐々にその範囲を広げて、最終的には全スタッフに使っていただくという風に段階的に使用していただくように対応した。
この時にITリテラシーが高い人だけにすると、ダメな部分が分からないので、パソコンが苦手な方にも協力していただいた。
もう少し具体的に話そう。
1回目は確かにパソコンが使える人だけで構成した。
2回目からはパソコンが苦手な方を一定の割合入れていったということである。
これによりフィードバックを受けやすくなり、より使いやすくて分かりやすいツールに仕上げたのだ。
思った以上の品質の日報ツールができた。
よかった、よかったと思ったのだが、これだけではパパを救うことはできない。
本命のツール開発がスタート
日報がデジタル化したことによって、ようやく集計が簡単にすることができるようになった。
準備が整ったのだ。
つまり、フィールドに3体のモンスターが存在する時、神である「オベリスクの巨神兵」を召喚することができるのだ!
はい、すみません。
いきなり遊戯王ネタです。
ともかく準備が整い、これからパパの業務を効率的にする開発を行っていく。
すでに日報がデジタル化しているので、これだけでもかなり効率的に日報をまとめることができていると喜んでいたが、まだまだ甘い。
こんなもんで喜んでもらっちゃいけないぜ、パパ!
プロの本気を見せてやる!
ということで、作ってやりました。
ボタンを押して10分。
しかも、自動。
パパは何もしなくてOK。
マンガを読んでてもいいし、タバコを吸いに行ってもいいし、娘の写真にデレデレしててもいいし、ゲームをしててもいい。
ともかく10分したら、報告書が完成しますんで、それを後は上司に報告すればOKです。
毎日3時間以上がほぼゼロ。
1人のパパを見事に救ってあげました。
ちなみに、この後、ディズニーランドに家族で行けたって嬉しそうに報告してくれた時はメチャクチャ嬉しかったです。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は事例の裏側のストーリーをシェアしました。
パパの悲惨な今を変えて、より充実した毎日を過ごせる環境を提供できた事例です。
今回提示した事例はコールセンターだから起きている事例というよりも、他の企業でも起きがちな事例だと思います。
本事例のようなことがあれば、是非我々にお声がけください。
何か気づきや学びになればシェアしていただけると嬉しいです。
それでは、次回にまたお会いしましょう。
ちなみに、上記でご紹介した事例は下記の事例になります。