COLUMN コラム

2025.03.10
プロを舐めるな

プロを舐めるな

業務効率化の提案時、「それなら私にもできます」と言われた経験から、プロの技術者が行う効率化と素人の効率化の違いを解説。専門家の知見と経験がもたらす価値について、具体例を交えながら分かりやすく説明していきます。

「加門、どうした?」と思われるようなタイトルのコラムである。

だが、そう思ってしまうような出来事があったので、シェアしたくキーボードを打っている。

何があったのか。

それは、先日お客様に効率化の提案をした時のことである。

業務内容や予算から総合してExcelVBAを活用した効率化を提案した。

少しExcelが触れる人やマクロを触れる人なら、この提案をどう思うだろうか?

「それだったら私にもできます」

と同席した女性スタッフに言われたのだ。

その方はExcelを触れる人だったようだ。

こういった人は舐めてかかってくることが多い。

だが、言わせてもらうが、「舐めんな」と言ってやりたい。

何故そう思うのか?

3つのことからお伝えできるので、1つ1つ解説していこうと思う。

効率化レベルが圧倒的に違い過ぎる点

まず1つ目は、レベルが段違いであることである。

弊社はプロのエンジニアが作る。

エンジニアとして20年以上も携わってきているエンジニアだ。

だからこそ、8割9割の削減効果を生み出すことができる。

たとえば

  • 10日かかっていた業務を10分にした事例
  • 10人でやっていた業務を1人でできるようにした事例
  • サービス提供に必要なデータ整理に3日以上かかっていたのが30分になった事例

などなどある。

ここまでの効率化を実現できるのか?というと疑わしい。

もしできるなら、その人は事務ではなく効率化部隊として活躍しているはずだ。

事務職で仕事が忙しいから私に声をかけていただいたのに、「それならできる」のなら「なぜ今までやってこなかったのか?」と疑問でならない。

それこそ職務怠慢ではないか。

予期しない問題の想定が甘すぎる点

また、こうした効率化や自動化、ノーコード・ローコードの話になると、「自分で開発できる」「誰でも開発できる」といったセールストークが繰り広げられる。

だが、専門職でもない人が予期しない問題の想定を行うことができるだろうか?

  • この値に数字以外が来た時は、こういう処理をする
  • 数字以外が来たとしても頭文字が「X」の場合は、数字として扱う
  • 数字は8桁である
  • ハイフンは許可するが、それ以外の記号は許可しない

などなど会社や業務によって様々なルールがある。

顧客によって変わることもある。

働いている人からすれば当たり前のことだろうが、外から見た私たちからすれば、「何でこんな複雑なルールになっているんだろう?」と思うことばかりである。

これは中小企業であればあるほど多いが、大手企業でも当然のように存在する。

こうした想定をやれるのか?というと無理な話である。

エンジニアは性悪説で人を見る。

このサービスを使ってくれる人は予期しない行動をしないはずだ、なんて絶対思ってはいけない。

椅子を脚立代わりにするのが人間である。

スプーンの柄をテコの代わりにして缶を開けようとするのが人間である。

布団たたきで高いところに引っかかった風船を取ろうとするのが人間である。

どれも製品としての正しい使い道ではない。

多くの人は自分の視野でのみ作ってしまいがちでバグが起きては「使えない」と嘆く。

だが、本当はそのバグを発生させてしまう余地を残してしまっている開発者が問題なのである。

では、少しExcelを触れる程度の人ができるだろうか?

できる人もいるだろうが、そこまでの視野を持つ人は少ない。

いたら、エンジニアになることができるので転職をオススメする。

よって2点目は、不具合が発生することを予期しながら開発できない点である。

そもそも開発する時間がない点

日々業務に追われている人なのに、別途開発をすることはできるだろうか?

原則お話をいただく時、多くは1か月間フルフルの開発になる。

エンジニアが8時間20日かけて作る。

では、毎日の仕事がある中でどれだけの開発時間を用意できるだろうか?

残業しないと無理だし、現時点で残業していれば開発できる余地はない。

残業しながら開発したいのか?

私だったら嫌だ。

そもそも開発できるんだったら、なぜ今課題になっているんだ?

課題になっていることが答えではないか?

開発できないから課題になっている。

これが全てである。

決裁者としても社員に残業させて、コストを支払って作らせるのはリスクが高いと判断できる。

今いる人たちが辛い思いをしているのに、余計に辛い思いをさせてどうするのか?

私は信じられない。

 

もし開発できたとして、私たちエンジニアが作ったものと同じレベルのものができるだろうか?

バグも起きず8割以上の効率化削減効果を得ることができるだろうか?

不可能だ。

バグだらけの効率化効果の低いものができるだろう。

日々業務があることを忘れてはならない。

よって3つ目は、業務があるのに開発時間を作ることはできない点である。

専門家はやはり専門家である

たとえば日曜大工。

DYIと呼ばれることが多くなり、楽しむ人も多い。

棚を作ったりベッドを作ったり机や椅子を作ったりする人もいるだろう。

では、安全性や耐久性は十分あるのだろうか?

担保されているほどしっかり作ることができる人は少ないはずだ。

それは専門性がないからだ。

これまでの知見もノウハウもない。

だからこそ、どこまでいっても自己責任で楽しむレベルである。

 

素人が作った効率化と開発者が作った効率化。

どちらの方が優れているかは火を見るよりも明らかである。

仕事として請け負うため、責任を持って完遂するのがプロである。

業務に追われて作る素人レベルと一緒にされるなんて、プロとして憤りを覚える。

できるんだったら、やってみろと言いたい。

 

専門家はやはり専門家である。

この認識を持つべきである。

プログラミングは少し学べば、できたような感覚になる。

だが、エンジニアになるのに必要な時間は5年である。

片手間5年ではない。

みっちり専門職として働いて5年である。

家庭料理がシェフに勝てないように

DIYが職人に勝てないように

専門職に素人が勝てるはずがないのだ。

職人は職人としてお金を持っている以上は、その責任と義務を果たすことが求められる。

甘く考えないでいただきたい。

最後に

さて、このお客様は結局どうしたのかを伝えていなかった。

当然上に書いたことをちゃんと伝えたのだが、結局私たちにお任せいただけなかった。

だが、それでよいと思っている。

別に私は押し売りをしたいと思っていない。

専門家である以上、課題を持って苦しんでいる方にとって助けになることをしたい、と常々考えている。

分かりやすい例でいうと、医者のようなものだ。

治療を求めている患者がいるなら、一生懸命治療する。

これこそ専門家である。

 

ちなみに、

  • 手作業で仕事が大変
  • 業務時間が長くて苦しい
  • 残業続きで3歳の娘の顔が見れない
  • 人手不足で仕事を請けることができない
  • マルチタスクすぎて社長としての仕事ができない
  • コア業務に集中できない

といったの悩みや課題は「効率化」で解決することができることもある。

むしろ効率化をしたことがなかったら、効率化だけで解決できるだろう。

私は日本企業をもっと元気にしていきたいと考えている。

その手助けができるなら嬉しい。

私たちにお任せいただけるなら、全力で喜んでいただけるよう取り組んでいく。

 

今回は少し過激だっただろうか。

だが、今回のコラムが皆さんのお役に立てれば幸いである。

実はコラムで投稿している内容は1か月ほど遅れてお届けしている。

そこで、もし最新情報をすぐに手に入れたい方は、スタエフで音声配信を行っているので。そちらで最新情報をゲットして欲しい。

加門の業務効率爆上げチャンネル

 

それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

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