COLUMN コラム
日本を再び世界と戦える国へ
「システムの力で、みんなの未来を変える」
その言葉には、日本企業の99%を占める中小企業の未来を変えたいという想いが込められています。 なぜ今、中小企業のシステム化が求められているのか。 そして、どうすれば各社に最適なシステム導入が実現できるのか。
株式会社皆人の加門社長に、株式会社皆人の想いと中小企業のシステム化がもたらす可能性についてお聞きしました。
―はじめに、御社のミッションやビジョンについてお聞かせください。
「システムの力で日本の未来を変える」これが、わが社のミッションです。そして、ビジョンとして「100社のシステム化をご支援する」を掲げています。
現在、日本の企業の99%を占める中小企業の多くが、IT化・DX化の遅れにより競争社会に打ち勝てず、赤字経営に直面しています。人口減少に伴い、人材確保も難しく、キャパシティの低下からサービス品質の低下やカスタマーサポート品質の低下、受注できる限界値の低下から受注件数の低迷と売上や利益の低下、業務量の増加による従業員の負担増など多くの課題が日本企業に迫っています。世界に目を向けてみると、日本の世界での地位も以前ほど高くありません。スイスのIMDが出したレポートを見ると、日本の競争力は63か国中38位(2024年発表)となっていますし、貨幣価値もどんどん低下していっているのが現状です。
私たちは、正しいシステム化を通じて中小企業の生産性を高め、事業投資を正常化することで、企業の競争力を強化したいと考えています。中小企業に寄り添い、正直で効率的なシステム導入を支援することで、ITを通じて日本企業の成長に貢献する。そして日本を再び世界と戦える国にすることが、私たちの目標です。
コロナ禍で見えた中小企業のDX課題
―そのような理念が生まれたきっかけを教えてください。
きっかけはコロナ禍でした。前例のないスピードでDXが注目される中、中小企業向けのIT導入の実態に大きな疑問を感じたのです。この前まで「ITサービス」と謳っていたサービスが突然「DXサービス」と謳い始めました。DXとは何かを理解せず、ただのITサービスをDXとして売り出すIT事業者が次々に出現しました。IT専門家やDX専門家、生成AI専門家もDXの本質を理解しないまま、DXというワードを使っています。この現状に同じIT事業者として強い危機感と恥ずかしさを覚えました。
たとえば
- DX化は効率化である
- DX化は生産性を向上させる
- このサービスを導入したらDX化ができる
- バックオフィスDXで会社を変える
- 物流DX
などといったワードをよく目にしますが、これらは間違っています。DXは簡単にできませんし、業務の効率や生産性の向上に効果がありません。極端かもしれませんが、飲食店でカレーを注文したのに、チャーハンが出てきた気分です。指摘してもチャーハンがカレーだと言い張ってきて、困った状況です。これが今のDX界隈なのです。私が恥ずかしくなるのも当たり前なのです。
そもそも人材と資金が限られている中小企業にとって、誤った方向に突き進むDX推進は「失敗」しか行きつくゴールはありません。また、日本企業の多くはIT化ができていませんので、デジタル技術とビッグデータの活用を前提とするDX化は実現性に乏しいと言わざるを得ないのです。
誤った情報で中小企業をそそのかし、資金を巻き取る姿はまるで強盗のようなものです。
私は、加速する現代ビジネスにおいて日本企業を1社でも救い、世界的な評価を高めていきたいと考えています。この想いから現在のビジョンとミッションが生まれました。
―中小企業のDX推進における課題をどのようにお考えですか?
主に3つの課題があると考えています。まず、DXが何かを本質的に理解していないことです。次に、日本企業のITリテラシーの低さです。最後に、危機感の低さです。
スイスの研究機関であるIMDが出したレポートによると、日本のデジタルスキルは63か国中の62位で、ビッグデータの活用は最下位となっています。そもそもDXの前提となる2つが日本企業に欠けている状態です。こんな状態では、DXは無理なのです。車の運転もしたことがない人がカーレースに出るようなものです。
日本で言われているDXはほぼ全てIT化のことです。ただのIT化をDX化とラッピングしたに過ぎません。いくらやってもできるのはIT化で、ITサービスを導入すればするほど間接業務が増えて非効率な業務が次々に生産されることとなります。
これが日本の現実です。誤ったDXが伝わったのも日本のITリテラシーの低さが原因でしょう。
また、日本企業の約半数がDX化やIT化への意識がないのも問題です。現代ビジネスは非常に商圏が狭くなり、サイクルも早くなっています。日本は確かに1つの国で商圏が成り立つほど大きな領土を持つ国です。そのため、ついつい日本に限定してビジネスをしがちです。しかし、世界に目を向けると韓国や台湾といった領土の小さな国はもちろん、アメリカや中国といった日本よりも広大な領土の国でも当然のように世界に目を向けてビジネスを行っています。そうすると、世界では当たり前であるIT化やDX化への意識の低さは、とても際立ってしまいますし、世界基準で見たら非常識なのです。そして、商品ライフサイクルも昔は30年から50年と言われていましたが、今では3年と言われます。それくらい短くなっているのです。そうした激化する競争社会においてIT化やDX化は「待ったなし」なのです。
こうした状況を見過ごしたままだと、我が国は衰退するしか道がありません。いつか誰かが救ってくれる、と待つのではなく、今この瞬間に日本を変えるためにアクションを起こすしかありません。私たちは「システム化を通じて日本の未来を変えていく」というミッションを掲げ、日本を改めて世界と戦える国にしていきたいと考え、行動しています。
企業理念がもたらした3つの変化
―ミッションとビジョンができてから、仕事に対する考え方に変化はありましたか?
はい、大きく変わりましたね。主に3つの点で変化がありました。
1つ目は、顧客にしっかり価値を届けたいということ。
2つ目は、社会に何かしら良い影響を与えたいということ。
3つ目は、会社を大きくして、一緒に戦ってくれる仲間に報いたいということです。
共通している想いは、「恩返し」です。
実は結構紆余曲折ありまして、小学校は劣等生で中学校は不登校で、ようやく社会復帰した高校は京都随一のヤンキー高校で、本当に親には心配な思いをいっぱいさせたと思います。ここまで生きてこれたのは両親の支えと周囲の大人の支えがあったからです。今度は私が支えられる大人になりたいと考えていて、ミッションを考えた時に「恩返し」という想いが強くなりました。
―それらの変化は、現在の会社経営にどのように活かされていますか?
まず、顧客にきちんと価値提供できる会社を目指しています。これまではSESという事業のみでしたが、今後はSES以外にも日本企業をサポートできる事業を行っていきます。
現在、「業務革命支援事業」という事業を展開しています。この事業のサービスとして『楽デジ』という間接業務に特化したオーダーメイドの効率化サービスを提供しています。この楽デジは、お客様の業務をヒアリングして業務内容や流れを直接的に短縮させるITツールを開発するんです。簡単に言うと、間接業務の9割を削除するITツールをオリジナルで作るサービスなんです。しかも、パソコンが苦手な方でも操作できるので、安心してお使いいただけます。
間接業務の9割が削減できる、と言われても信用できないと思いますので、事例をいくつかご紹介します。
1つ目の事例:2名で5日かかっていた請求書発行業務の事例
かけていた5日がなくなり、サポートを充実化!顧客満足度の向上に繋がる結果を実現!
上場しているIT企業が請求書発行業務を行っていました。特殊な契約のため、契約情報と顧客情報を確認しながら請求書を作成していました。2名で5日かけて作成してダブルチェックもして問題なし、と思っても問題が起きるのがヒューマンエラーです。毎月何かしら顧客トラブルが発生していました。
業務内容や作業手順などをヒアリングして開発したオリジナルITツールを導入した後は、なんと1人でボタン1クリックで業務完了できるようになりました。時間はたった10分。2名で5日かけて行っていた業務なので、実質10日間の業務を行っていました。それがたった10分に短縮しました。しかも、顧客トラブルは0件。
余った時間は顧客サポートやサービス企画、アンケートなどに時間を使うことができるようになったので、サービス品質や顧客満足度の向上に繋がりました。
2つ目の事例:残業続きで娘の顔を見れないコールセンターのマネージャーの事例
残業ばかりのマネージャーが、たった5分で業務完了する毎日を手に入れた事例。
100人規模のコールセンターを任されているマネージャーは、毎日紙で報告されている作業報告書のレポート作成に追われていました。毎日3時間以上の残業が続き、可愛い盛りの娘の寝顔しか見ることができない毎日を過ごしていました。身体的にも精神的にも負担が大きく、奥様から転職を勧められることもあったそうです。やりがいはあるけれど、体と心がついていかない。そんな日々だったようです。
そんな毎日から解放されたのが「楽デジ」です。
ボタンを1クリック。たった5分で業務完了。あの残業はどこに行ったのか?
紙の報告書を電子化し、レポート作成をワンクリックで自動で作れるツールを開発し、お届けしました。業務終了してタバコ休憩に入る前にワンクリック。リフレッシュした後に作成したレポートを上司に報告したら、帰宅できるようになったと喜んでいただきました。
「これまで行けなかった家族とディズニーランドに行けるようになって、娘のいろんな顔が見れるようになって嬉しい」というお声をいただきました。
この他にも事例をご紹介しております。具体的には、「実績」ページでご紹介していますので、そちらを見ていただきたいです。
企業の業務は大きく分けると2つになります。1つは間接業務で、もう1つは直接業務です。この間接業務が企業の成長を妨げ、従業員満足度や顧客満足度を高めることができない要因です。特にこれからの時代は顧客への価値提供が重要になってきます。この価値提供を高めることができれば、社会へより良い影響を与えることができるようになると考えています。
社会は多くの組織から成り立ち、組織は人から成り立つ。だからこそ、人が変われば組織が変わりますし、組織が変われば人も変わると思うのです。我々のサービスを通して組織や人を変え、ゆくゆくは社会にも良い影響を与えたいですね。
最後にミッションやビジョンに共感してくれて、一緒にその実現に向けて取り組んでくれた全ての仲間に報いたいと思っています。
これは社員だけでなく、業務委託や協力パートナー企業なども含みます。我々だけではミッションの実現はできません。協力者が必要です。だから、そういった人たちにちゃんと恩返ししたいんです。
恩返しができる大人って素敵だと思いませんか?
でも、実は人として当たり前のことですよね。それができなくなっているのは寂しい。だから、しっかり恩返しできる人でありたいし、そんな会社でありたいと思っています。
皆人のこれまでと、今後の展望
―これまでどのようなプロジェクトを手がけてこられましたか?
2Bや2C、大規模・小規模、大企業・ベンチャーなど、多種多様なプロジェクトを手がけてきました。業務系システムの管理内容によって難易度も様々でしたし、ゲーム開発も経験しています。
開発で最も得意なジャンルで言えば、2B系になると思います。業務管理、勤怠管理、請求書管理、生産管理など業務で使うようなシステムの開発を主に行ってきましたので、強い開発力を活かして価値をお届けできます。
―今後の展望についてお聞かせください。
今後は自社開発サービス「楽デジ」の展開に加え、セミナーや講演会も実施していく予定です。
特に「楽デジ」の提供には力を入れていきたいと考えています。どうしても日本企業はアナログだし、ITに興味がある人も派手な方に意識が向いてしまいがちです。しかし、本当に効果があるのは仕組み化や効率化といった地味な方なのです。まず土台をしっかり作るから、他のツールが活きてきます。楽デジで間接業務の9割を削減した状態で、生成AIを使うことで更に会社の成長に繋がっていくのは目に見えています。逆だったら生成AIの勉強コストが高く、日常に取り入れることができないかもしれません。だからこそ、日本企業に「楽デジ」をお届けしたいと考えています。