COLUMN コラム
日本企業はAIに否定的
帝国データバンクが調査した結果によると、日本企業はAIに否定的である。
生成AIの活用状況調査を見てみると、とても興味深い。
活用できているのは、17.3%と低い。
最も活用されているのは、情報収集や文章の校正、アイデア出しなどで、効果があったと回答したのは実に86.7%に至っている(大いにある:36,1%、やや効果がある:50.6%)。
しかし、活用している企業が2割にも満たないことが大問題である。
8割以上の企業はAIの活用を行っていないということになり、その56%は活用予定もない。
ガラパゴス化が進む日本
若い経営者ほど活用する事例が多いとはいえ、海外の反応と真逆であることに驚きを禁じ得ない。
海外だと約8割が生成AIの活用を行っており、2割が行っていないとなっている。
日本と真逆である。
これは日本が世界的に見てガラパゴス化していることの証左でもある。
日本は世界地図で見ると小さく見えるが、実は商圏を形成できるほど大きな国である。
今、大注目の台湾は九州くらいの大きさだ。
1つの国でビジネスが成り立っている国は本当に少ない。
だからこそ、日本は今ガラパゴス化が進んでいる。
下手に海外展開を考えなくてもよく、島国であるからこそ、海外への意識がない。
これは私もそうだ。
大いに反省すべきだ。
だからこそ危機感がないのだ。
赤信号、みんなで渡れば怖くない
とはよく言ったもので、
ITが分からない、AIが使えない、でも、周囲の人もそうだから自分も大丈夫
と思っている人が本当に多い。
日本国が終わってしまえば、そうも言っていられない。
私達が日本国を支えているのだ。
他責思考が強い日本
生成AIの調査で、懸念や課題についてアンケートを取っていた。
トップ3をご紹介しよう。
- AI運用の人材・ノウハウ不足(54.1%)
- 情報の正確性(41.1%)
- 生成AIを活用すべき業務が不明瞭(39.1%)
この結果はとても面白い。
3位はまだ理解できなくはない。
しかし、情報収集や文章の校正、アイデア出しなどに使うという基本的な活用方法で経営陣やそれに近しい人が試しに使ってみるというレベルでよいのではないかと思う。
そして、1位と2位が面白い。
こういったことが上位にランクインするのは、他責思考が強いからではないだろうか。
それでは、2位から解説していこう。
情報の正確性
情報の正確性を問題に思う時はある。
ハルシネーションが起きることもある。
渡した文章に書かれていないことを勝手に出してくることもある。
それでも、情報の正確性が高くないとダメだと言うなら、世の中にある全ての情報にアクセスすることができなくなる。
医学的な話も数年前まで常識と言われていた話が、今では非常識になることなんて日常茶飯事だ。
ニュースもそうだ。
周囲の人の話もどれだけ正確だろうか?
日本だと大丈夫と思っている生成AIの活用も世界では最早取り入れて当然レベルにまで至っている。
また、アイデアを10個出そうとした時、5人集めて1時間かかるなんてことは多い。
たった10個なのに、5人いるのに。。。
折角出たアイデアも何かイマイチってこともある。
生成AIを使うと一瞬だ。
間違っていようが何だろうが一瞬だ。
100個でも200個でもすぐに出してくれる。
そこからブラッシュアップする、アイデアを参考にする、ということができる。
確かに出してくる結果が不正確な時もあるが、参考例として活用するのなら問題ないのではないか。
採用コンサルの人が言っていたが、優秀な人材は300人に1人いるかどうかだそうだ。
そうすると、生成AIが頼りないと思っても自分よりは優秀かもしれないと思ってもよさそうである。
正確性も大事だが、効率性の方が遥かに大事である。
テストをして活用する。
ダメなら再度テストをする。
こういう思考がこれからのビジネスに求められる。
人材とノウハウの不足
「スマートフォンを扱う人材とノウハウが不足しているから、スマートフォンを使わない」という人がいるだろうか?
「自転車を扱う人材やノウハウが不足しているから自転車に乗らない」なんて言っている人がいたら、不思議に思わないだろうか?
これはそういうことを言っているのと同じである。
軽く使う分には無料で使うことができる。
まずは使ってみるのがよいだろう。
もし使い方が分からないなら、使い方を教えてくれるセミナーや説明会に参加すればよい。
ワークショップもオススメだ。
このコラムを書いた後に概要テキストを書くのは生成AIに任せているし、SNSにアップする時も最初のアイデア出しは生成AIを活用している。
できた文章を自分の色に変えてアップするだけで時間の節約になる。
とりあえず使ってみる、できる範囲から活用してみる
というのがオススメである。
まとめ~世界規模になった競争社会~
日本にいるとどうしても実感がないが、インターネットの普及でビジネスは世界規模になった。
昔は商品ライフサイクルが30年から50年と言われていたが、今や3年あればいい方と言われるくらい短くなった。
家に居ながら日本の反対にあるブラジルに住む人とビジネスができるし、現地の商品を購入することも可能だ。
OEMで中国に製造をお願いしてAmazonで販売するというビジネスモデルが一時期流行った。
このようにビジネスは日本だけではなく、近くなった世界を対象に行われるようになった。
そして、世界の人たちは世界を相手にどうビジネス展開をすればよいかを考える。
私たちはどうだろうか?
日本に焦点をあててビジネスをしているのではないだろうか?
この感覚がDXやAIにも反映されているのだろう。
世界に負けない日本を取り戻すためにも、私たちはグローバル社会の常識を取り入れてビジネスをしていく必要がある。
今この時代に「鎖国」は不要なのだ。