COLUMN コラム

2025.03.12
米政府「テレワーク禁止」で2025年は出社回帰か?

米政府「テレワーク禁止」で2025年は出社回帰か?

アメリカ政府のテレワーク禁止政策から見る、働き方改革の新たな潮流。公務員の大規模人員削減計画の背景と、今後のグローバルな影響について解説いたします。」

1月末ごろ、アメリカのテレワーク禁止が私の中では話題になった。

このコラムは時間差で投稿しているので、リアルタイム性はなく遅くなってしまった。

今後リアルタイム性のある情報はスタエフで発信する予定なので、そちらも確認していただきたい。

加門の業務効率爆上げチャンネル

 

さて、話題は戻るが、2025年はテレワーク禁止が至る所で実行されて出社回帰になるだろうと予想できる。

この件について述べていきたい。

アメリカで起こっているテレワーク禁止とは

まずはアメリカで起こっていることについて紹介したい。

政府効率化委員会は2026年7月までに2兆ドルの削減を通すという目標を掲げている。

約300兆円くらいか。

とんでもない額の削減を目指している。

 

その1つの施策として、連邦政府職員を解雇することを提案している。

連邦政府職員とは聞きなれないので、公務員という言葉で以下は説明していく。

今回本件について紹介している記事を3つご紹介する。

 

トランプ米大統領、連邦政府職員のリモートワーク停止を含む雇用見直しに着手

米政府機関、リモートワーク禁止へ トランプ氏が大統領令に署名

米政府、職員に早期退職募集 テレワーク禁止で選択迫る

 

要はアメリカ政府で働いている公務員の内、テレワークで勤務している人を対象に出勤するか辞めるかを迫った、ということである。

では、どれくらいの構成比率なのか見ていこう。

  • フルタイムでテレワークをしている人は、56万9000人(全体の約13%)。
  • ハイブリッドは、89万8000人(全体の約20%)。
  • テレワークを活用していない人は、288万9000人(全体の約66%)。

このような比率の内、上2つを対象として選択を迫っているとのことだ。

これによってもし全員が辞めるという判断をした場合、146万7000人の解雇を実現することができる。

すごい人数だ。

こんなに辞めて大丈夫か?と心配になるが、これはほんの一部だ。

まだまだ解雇させる考えを持っているようだ。

とにかく「アメリカ第一主義で働くことができないなら辞めていい」と考え、アメリカのために尽くせない人や生産性の低い人は解雇対象とすると考えているようだ。

 

これによってどこまでインパクトがあるのだろうか?

公務員の給与から考えてみると分かりやすい。

平均給与は10万ドル以上と言われ、日本円にすると1500万円以上となる。

125万円以上の月収だ。

なかなか高い人件費だ。

もし全員解雇ができたら、1億8337万円のさくげんを達成できる。

しかも、「平均」なので、これより大きな金額を削減できる可能性があるのだ。

過去の成功事例も

過去にこのような人員削減を行った事例はあるだろうか?

実は2名の大統領が存在する。

レーガン大統領とクリントン大統領だ。

特にクリントン大統領は30万人の解雇を実現し、財政赤字を黒字化した数少ない大統領としても知られている。

人件費は支出部門において高額になりがちであり、運営者を悩ませる項目の代表的な項目である。

適切な人員で適切なコストで運営できれば理想だが、どうしても多すぎるコストと少なすぎる成果のアンバランスに悩むリーダーは多い。

それは国であっても企業であっても、組織である以上は同じことである。

この組織運用においてプロと呼ばれる人を適用したトランプ氏は、大統領の中でも最も人員削減を行った大統領として知られることになるだろう。

人員削減は「悪」か?

そんなトランプ氏が重宝する人物と言えば、イーロン・マスク氏である。

イーロン・マスク氏は経営者の中でもトップレベルの経営者と知られているが、さらに人員削減のプロとしても知られている。

Twitterを買収した後すぐに半分の社員を解雇した実績がある。

この他にもテスラやスペースXも10%の人員削減を実施した。

このように経営者として一見すると冷徹と見える冷静な視点で組織を合理的に判断しているのだろうと思う。

事実、解雇しても株価は上がり、世界的に注目される企業オーナーとして有名だ。

 

では、人員削減は「悪」だろうか。

日本にいると、どうしても残酷に見える。

テレワークをする権利があると思うだろう。

だが、それで組織が倒れたら、それは「善」なのか?とお聞きしたい。

 

組織は組織として健全に活動し続けることが最重要である。

そのためにコストを削減し、利益を増やし、活動費として充てていく必要がある。

お金がなければ、給与も支払えないのだ。

では、コストを削減できず、利益が減り、活動できなくなったら、それはよいことだろうか?

コストを削減することは非常に重要な活動の1つであり、それがたまたま人員削減であったに過ぎない。

もし削減されたくなければ、生産性を上げて組織にとってなくてはならない存在になるしかないのだ。

その努力もせず解雇されるのを拒否するのは、「わがまま」に過ぎないのだ。

 

それと、本件で言うと、アメリカという国が雇い主である。

「アメリカのことを第一に考えられない不届き者にお金を払う必要はありません」と言われるのは当たり前のことである。

給料は税金から成り立っている。

国民の稼いだお金で毎月125万円も支払っている。

なのに、国のことを考えないなら、別に働いてもらわなくてもいい。

このように考えるのは当然の帰結である。

日本が異常なだけだ。

テレワーク廃止の未来で

では、今回アメリカ政府の取り組みがもし上手くいってしまった場合の未来を考えよう。

当たり前だが、どの国でもこのやり方が採用されるだろう。

国で採用されることは、企業にも採用される。

特に企業は国よりもフットワークが軽いので、より早く適用するだろう。

成果が出始めると、どんどん真似る企業が出てくる。

その動きはどんどん加速し、職を失う人はどんどん出てくるかもしれない。

人材不足という課題を持っている人にとってみれば最高の瞬間だろう。

では、私たちはどうすればいいか?

AIもある。

テレワークも廃止になった。

出勤する必要がある。

 

さて、じゃあ、どうやって私たちはこの時代を乗り切るべきか。

一番は解雇されずに雇用を続けることができることであり、何だったら評価されることである。

どうしたらいいだろうか?

 

それこそが「コミュニケーション力」である。

 

何を今さらと思うかもしれない。

だが、この「コミュ力」こそ日本人に欠けているものであり、AIによって駆逐されないために必須のスキルなのだ。

ここで言うコミュ力とは、何も面白い話をすることを言っているわけではない。

意思疎通を行い、双方が建設的に意思決定を見る仕事上におけるコミュ力のことである。

本当に難しい。

これだけで何百万もする講座があるほどだ。

だが、逆に言うと、それだけ必要不可欠であるということだ。

AIスキルを上げることも必要だが、人としての根本であるコミュニケーション力も今後は必要不可欠であると認識を改めるべきである。

最後に

今回はアメリカ政府のテレワーク廃止から、背景や今後の動きについて語ってみた。

気づきや学びになれば幸いである。

 

ちなみに、アメリカ政府の取り組みが成功したとして全世界がアメリカに続いたとしても、日本はなぜかアメリカに続くことはないだろう。

日本は例外だ。

どうせ権利だ、日本に忠誠を誓いたくない、などと言う輩が出てくるからだ。

イーロン・マスク氏が日本で「効率化委員会」を立ち上げてくれないと、実現することはできないだろう。

 

より最新情報に触れたい方はスタエフで音声配信をしているので、こちらもチェックしてみてください。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。

加門の業務効率爆上げチャンネル

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