COLUMN コラム
なんともお粗末だ。
悲しいを通り越して、情けない。
生成AIで解雇を騒ぎ立てるAI専門家が後を絶たない。
こういった人たちは、GAFAMで発生した一連の解雇劇を見て騒いでいる。
Microsoftは1万人以上の解雇を実施した。
他にも多くのテック企業が解雇を実施している。
この情報だけを見ると、確かに生成AIによって解雇が起きたかのように見える。
だが、本当にそうなのだろうか?
今回のコラムでは、生成AIで解雇が起きているのか?という点に迫っていく。
大量解雇は一般的であること
日本において解雇は全くと言ってもよいほど一般的ではない。
大手で解雇をする時は、早期希望退職を募る。
一方的に会社の決断で解雇することは、ほとんどない。
だからこそ、大規模な解雇事例は特殊な事例として映るのかもしれない。
しかしながら、海外企業で考えてみると、そこまで特殊なことではないのだ。
この事実を知らないからこそ、「大量解雇はAIが原因だ!」と言われると信じてしまうのだ。
よく名前が挙がるMicrosoftを事例に挙げていこう。
2025年1万5000人の解雇が実施された。
これを生成AIのせいにしたい気持ちは分かる。
しかし、Microsoftは生成AIによる解雇であるという発表はしていないばかりか、効率化が原因であるとも発表していない。
そのため、生成AIが原因かどうかなんて分からないのだ。
生成AIが原因でないと何故分かる?
原因であるかどうか分からないのだから、生成AIが原因ではないと断定もできないはずだ。
しかし、私は生成AIが原因であると考えていない。
その理由としては、従業員数とその推移を見てみると分かる。
従業員数を見てみよう。
今から10年ほど前の2015年は約13万人で、それから5年後の2020年で約16万人と拡大している。
じゃあ、2025年は19万人ほどだろうか?
実は、約23万人と拡大しているのだ。
コロナ禍の時に例年以上の拡大を実施した。
そのため、一気に拡大したのだ。
次に解雇事例を見よう。
2014年に1万8000人、2017年に4000人、2023年に1万人、2024年に6000人と解雇をしている。
Microsoft史上で最も多い解雇数は、2014年だ。
2025年の1万5000人は2番目になり、その次は2023年の1万人と続く。
コロナ禍の過剰ともいえる雇用からの調整が最も強い理由であると判断した方が適切である。
次に考えるとしたら、トランプ大統領による経済的不確実性も背景にあると考えるべきなのだ。
生成AIであると断定するには、根拠が乏しすぎる。
生成AIによる利益は出ていない
そもそもの問題ですが、生成AIによる解雇を実施するためには、生成AIで利益が出ている必要がある。
利益が出ていない状態で解雇をする経営者はいない。
生成AIを活用して10人の業務が1人でできるようになった。
そうすれば、解雇を実行しても問題ないだろう。
利益は効率化だけではない。
生成AIを活用することで、シェア率の向上や商品開発、顧客満足度の向上に繋がるかどうかという話もあるだろう。
では、そういったことが起きているのだろうか?
MITの調査報告によると、約95%は利益が出ていないという。
マッキンゼーによると、回答者の80%以上は生成AIによる利益は出ていないとしている。
こんな状態でなぜAIによる解雇が起きるのか?
解雇をしたら、もっと赤字になるのに?
そんな単純な計算もできないのか?
と言えてしまうのだ。
まだまだ教育フェーズである
MITの調査によると、生成AIの方が先に行きすぎてツールとして使用する人間の方が追い付いていないとしている。
オーバースペックであると報告されているのだ。
ということは、現在は生成AIを活用して業務を回すフェーズにあるということだ。
教育途中において解雇が実施されるだろうか?
そんな現実的ではない話があるか?
まだまだ教育途中で、利益も出ていない状況である。
そんな中で1万5000人の解雇が起きたとしても、それが生成AIに起因するとは全く考えられないのだ。
今の生成AIはスーパーカーであると考えて欲しい。
そして、社員は全員無免許状態だ。
ということは、まず車の免許を取得することから始め、スーパーカーに乗れるように教育するだろう。
もしスーパーカーに乗れない社員がいれば、解雇が始まるだろう。
このような順番である。
今はどこか?
免許取得中なのだ。
最後に
今回のコラムはどうだっただろうか。
よく聞くAIによる解雇は、論理的に破綻している。
こう言ってはなんだが、ファンタジーである。
このような情報に騙されてしまっては、勿体ない。
ぜひ気を付けていただきたい。
さて、今回のコラムが何か気づきや学びになれば幸いである。
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それではまた次回のコラムでお会いしましょう。