COLUMN コラム

2025.02.26
AIは仕事を奪うのか?

AIは仕事を奪うのか?

生成AIの到来で「仕事を奪われる」と恐れる声もありますが、それは過去の技術革新とも重なります。AIは業務を最適化し、新たな職業を創出し得る存在です。このコラムではその可能性と向き合い、恐れることなく柔軟に対応する重要性を探ります。

生成AIが誕生してより便利になった反面、「AIが私たちの仕事を奪うのではないか?」と恐れている人も多いだろう。

実際そうした記事は毎月何本か出ている。

そこで今回は、生成AIが私たちの仕事を奪うのかどうか見ていきたい。

この話は遥か前から起きている

AIの発展により私たちの仕事は奪われたのか?という視点で考えると、確かにアメリカのゲーム会社で2Dデザイナーが一気に解雇された事例がある。

また、Googleの開発効率も上がったと決算報告で報告されているので、もしかしたら今後開発者の解雇もあるかもしれない。

エンジニアである私も恐怖している。

だが、実はAIが誕生したのは1956年である。

その頃からこの話題は飽きもせず行われているのだ。

つまり、ずっと前から言っていることであるということだ。

それで、今も仕事は続いているだけなので、特に恐れる必要はないのだ。

パソコンが到来した時代と同じ

今起きていることは、パソコンが普及しインターネットが当たり前になった時代に似ている。

この頃も同じ現象が起きた。

パソコンがない時代は、パソコンが使えなくても雇用に問題はなかった。

だが、パソコンを使って業務を行うのが当たり前の世界で、パソコンを使えないというのが「無能」である証明となった。

パソコンを扱うことができる、せめて抵抗がない、というのが前提条件となっている。

この世界で「パソコンを使えないけど雇ってください」と言っても、なかなか難しいだろう。

 

パソコンやインターネットの存在によって、これまで存在していた業務が消えた。

電卓を弾いて計算する業務も今ではソフトを使って入力した方が間違いもなく結果を出せる。

業務が消えただけではなく、職業も増えた。

ホームページ制作やデザイナー、エンジニア、動画制作など様々な仕事が創出された。

1980年代から考えてみると、一部特権階級の人がやっているような仕事のように思うものが私たちの手にも届きやすい環境になった。

パソコンが到来したばかりの頃は、ホームページを作ることができると言うだけでリスペクトの対象だったものだ。

当たり前の水準が上がる

だが、次第に当たり前になっていく。

今ホームページを作ることができるとアピールしても、「だから何?」と言われる。

それくらい当たり前になったのだ。

この現象がAIにも起きるだろう。

今、確かに生成AIは黎明期である。

黎明期である今は、恐れもある一方で使えるだけでリスペクトの対象となる。

どうやって使うの?って誰もが使い慣れた人に聞きたがっている。

これが次第に使えて当たり前の世界になる。

パソコンと同じでAIを使うことができないということが「無能」の証明となるのだ。

冒頭でも挙げた2Dデザイナーの解雇劇も、AIの誕生によって電卓しか使えない人は解雇します、といったことが起きたに過ぎない。

AIを使えば3Dデザイナーが2Dデザイナーの仕事ができるなら、2Dデザイナーは雇用し続ける必要がない、と判断されても仕方ないことだ。

当たり前の水準が上がれば、このようなことが起きるのだ。

AIは結局仕事を奪うのか?

これはパソコンやインターネットが実現したことであり、歴史が証明している。

「パソコンが使えない人とパソコンを使える人、どちらを雇用したいか?」と聞かれると、どうだろうか?

当たり前だが、パソコンを使える人だろう。

この現象を「仕事を奪う」と言っているのであれば、確かにその通りだ。

パソコンを使えない人にとって職業に就くことは難しいだろう。

このパソコンがAIに置き換わるだけである。

「AIが使えない人とAIを使える人、どちらを雇用したいか?」という質問に変わるだけである。

この未来が今後すぐ訪れるし、一部すでに到来しているのだ。

だが、悲観するだけではない。

パソコンが業務を改善してくれたように、AIもまた私たちの仕事を改善してくれるだろう。

これは、私たちにとっては嬉しい結果である。

また、当然のように仕事を生み出しもするだろうと思う。

デザイナーやエンジニア、動画制作などの仕事が生まれたように、今まで想像していなかった職業が誕生するだろうと思う。

10年後の2035年の時に2025年を振り返ると、「あの頃はこんな仕事が生まれるなんて想像もしてなかったね」と言えるだろう。

まとめ

結局のところ、私たちの仕事を全てやってくれる未来はまだ当分来ないだろう。

正直、私が生きている間は来ないだろうと思う。

とはいえ、じゃあ、今やっている仕事は奪われるのではないか?という疑問にも、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないという回答になる。

AIによって最適化された結果、職を失った人は確かにいるだろう。

だが、それはパソコンやインターネットが到来した頃と変わらない。

また、自動改札機が来た瞬間、切符を切る仕事がなくなった。

これと同じだ。

「AIだから」と特別恐れる必要はない。

私たちは時代の流れに従って、取り入れることができる技術や情報を活用できるように自らを成長させ続ける必要がある、と考えれば別に取り立てて恐れることはないのだ。

では、なぜこうまで恐れる人がいるのか?

それは、成長のない人、成長する気のない人にとっては仕事を奪われる可能性が高くなるので、落ち着いていられないからではないだろうか。

だが、安心して欲しい。

日本は成長意欲のない人も解雇できないようになっている。

一度正社員になってしまえば、ばっちりだ。

仕事ができなくても、成長する気がなくても、全然問題ない。

正社員のセーフティがバッチバチに高いので、解雇される心配はあまりないだろう(当たり前だが、絶対ではない)。

本当に由々しき問題である。

 

このコラムが何か気づきになれば幸いである。

学びになった、気づきになったという方は是非シェアをしていただけると幸いである。

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

CONTACT お問い合わせ

    お問い合わせ種別[必須]

    当ウェブサイトにおける個人情報の取り扱いにご同意の上、送信してください。