COLUMN コラム
ITとDXがごっちゃになっているので、DXへの投資と勘違いされる方も多いだろうが、純粋に「IT投資」である。
まぁ、日本で言われているDXはIT化と同じなので、DX投資と言ってもいいかもしれない。
だが!
あえて言おう!!
「IT投資」であると!!!
悪ふざけはここまでにして、IT投資をすべきタイミングについて語ろうと思う。
正直IT投資はしなくてOK
システム開発をする立場なので、こんなことを言うのもどうかと思うが、正直IT投資なんてしなくてよい。
無料で使えるサービスを中心に使っていけばいい。
特にゼロイチは無理にお金を使う必要はない。
最低限の設備だけでよい。
会社の顔であるHPを作るために必要なドメインとレンタルサーバー費用
Office製品(無理ならGoogleスプレッドシートなど)
オンライン会議ソフト
チャットツール
SNS
セミナービジネスをやるなら、その支援ソフト
会計ソフト
などなど最低限でよい。
社員数が少ない内は、目が行き届きやすい。
リーダーの忙しさに比例するが、目が行き届いている内はIT投資は不要である。
本当に最低限でOKである。
じゃあ、いつからやるのか?
IT投資を始める基準は2つである。
1つは、管理しきれなくなった時である。
もう1つは、業務の組織化を考えた時である。
この2つについて見ていこう。
管理しきれなくなった時とは
管理しきれなくなったタイミングはすごく分かりやすい。
人数が10名を越えてきたタイミングやリーダーが忙しくて管理工数を削減したいタイミングである。
たとえば今までは毎日3時間くらい上がってくる報告書を見て、フォローすることができたとする。
業務が増えて管理する時間を取ることが難しくなったら、組織はどうなるだろうか?
停滞してしまうのだ。
そのため、たとえばタスク管理サービスを導入して会議準備や情報の共有を短縮することでフォローしやすくする、など対策を取ることができる。
顧客対応も今までは1日10名くらいだったのが1日100名になれば、それを1人でやるのも辛い。
であれば、人数を増やすのではなく、IT導入することで適切な対応ができるように対策するのもよいだろう。
業務の組織化とは
今、多くの企業は人材不足という課題を抱えている。
つまり、採用活動をしても誰も来ないことすら当たり前なのだ。
であれば、業務にかかる工数や人を削減して、より多くの量を実行できるようにすべきである。
もっと分かりやすく言うと、生産性の向上である。
今までイケイケで攻めていた企業が、コア業務に集中できず雑務に追われるようになり、「これどうしたらええねん」と途方に暮れる感じを多く見てきたが、その企業が採用すべきなのはこうした守りのIT投資なのである。
広告みたいになるが、この分野が私たちの強みで、
- 10人でやっていた業務を1人で完結でいるようにした事例
- 毎月10日かかる業務を10分にした事例
- 毎日4時間かかる部長の雑務を食事中の30分で完結できるようにした事例
などがある。
こうした生産性の向上によって、企業はコア業務に集中することができるし人材のリソースを獲得することができる。
売上や利益をより拡大させることもできるのが、守りのIT投資なのだ。
会社全体で有料サービスの導入タイミング
では、会社全体で有料サービスを導入するのは、いつがいいだろうか?
有料サービスはさっきの段階で導入してるやん、って思われたかもしれないが、会社全体というより業務単位・部署単位と考えた方が適切である。
では、いつか?
正直言うと、仕組み化が終わってからだ。
仕組み化は、誰がいつやっても同じ結果を出すことができるルールのことである。
UNOをいつ誰が誰とプレイしても同じルールで遊ぶことができる。
これと同じだ。
この仕組みが出来上がっていない内にIT投資をしようとするから失敗する。
まずは仕組みを作り終わってからが大事だ。
また、目的意識も重要である。
こういうことを実現したい
こういうことを解決したい
こういう結果になればゴールとみなす
といったことを決めていない内に、「とりあえず」で購入している人が多い。
それでは失敗が目に見えている。
しっかりと仕組み化と目的意識の明確化をしよう。
業務の洗い出しも重要
自分たちの業務がIT化する上でIT化できる要素は何かを洗い出すのも重要だ。
何でもかんでもIT化したらいいというわけではない。
たとえば配達でiPadを持って行くと重いし邪魔だ。
紙の方が便利だということもある。
そういう時はあえて紙を残すという判断も重要だ。
何を残して何を削るのかを洗い出していくことで、IT化できる領域が見えてくる。
また、無理だと思ったものも本当に無理なのかを検討するのも大事だ。
たとえばお客さんからの注文はメールとFAXから来るとする。
だから、お客さんから注文を受けるのはIT化できない、と決めつけてしまうのではなく、FAXのお客さんを説得できないか、と検討してみるのだ。
自分たちでコントロールできる状況を作ることが大事だ。
はじめから無理と思うよりコントロール下に置くためにどうすべきかを検討することで、IT化できる領域が増える。
「あれもこれも」は毒
ITサービスを見ていると、気付くだろう。
同じサービスなのにいっぱいある!ということに。
当たり前と言えば当たり前だ。
ファストファッションでもメッチャあるのだから、ITも同じように同ジャンルで複数サービスが存在する。
たとえば
チャットワーク
LINE
SLACK
Teams
などなどである。
こういった同じジャンルのサービスはできる限り1つに絞る勇気を持つことが大事だ。
あれはここで管理しているけど、これはあっちで管理している
みたいなことが発生すれば、業務を行う方も混乱するし、余計な時間ロスが発生する。
操作方法もサービスによって違うし、覚える時間もかかる。
であれば、1つに絞ってしまった方が楽なのだ。
どうしても難しいのもあるだろうが、それでも少なくする努力はしてみることをオススメする。
最後に
IT投資をいつやるべきか、について話してきた。
最後らへんは逸れてしまったが、それでも重要な要素なのでシェアさせていただいた。
言いたいのは、そこまでIT投資にお金をかけなくてもいいよ、ということだ。
会社規模や事業数、仕組み化の有無などによってIT投資を決めるのがよいだろう。
だいたいは無料サービスで何とかなるもんだ。
今省力化・省人化が叫ばれ始めているので、もしやるとしても効率化を徹底したり管理工数を減らすIT投資がよいだろう。
大手企業のようにあれもこれもは中小企業にとっては毒である、という認識を念頭に置いておけば大丈夫である。
今回のコラムが何か気づきや学びになればシェアしていただけると嬉しい。
それではまた次回のコラムでお会いしましょう。